おらほさきてけさいん

「おらほさきてけさいん」

なんじゃこりゃ?
と思われた方へのヒントは…

「南三陸」

分かりましたか??


先日、震災後3回目となる、南三陸に1年半ぶりに行って参りました

そこで一緒にボランティアをしていた人が
道から見えた看板に書かれている
この呪文のような言葉きになったようで
「意味わかる?」
という話になりました

確かに平仮名だけが並んでいると
何なんだ?!
という感じですが

何を隠そう
「宮城」と「高尾」のダブルの私ですので…
むしろ「分からない」ということに衝撃が走りました

答えは
「私のところに来て下さいな」
というような意味で
とある旅館のCMキャッチフレーズなのです

「けさいん」の部分が「けらいん」になるなど微妙な違いはありますが
昔よく聞いていた、おばあちゃんたちの言葉で
私にとってはある種「普通の言葉」でした

漁師さんの作業のお手伝いをさせて頂いたのですが
漁師さん達との会話も
「半分くらい分からないんだよねぇ」
という声も聞かれ
漁師さん達も
「まるで中国語聞いているみたいでしょ?」
と笑いながら話されていました

私も時折
「えっ?」と言うことはありましたが
小さい頃のリスニングがモノを言ったのでしょう
他の方よりは
「えっ?」の回数が少なかったように思います

という私も小さい時に
おばあちゃんの家に帰り、親戚一同に囲まれている中で
叔父さんに質問をされ
「10才です」
と答えたら
周りが笑いに包まれた経験があります
なぜなら
叔父さんは
「スイカは好きか?(畑で採れたから、好きならたくさん食べなさい)」
というような質問をしていたそうです…
何がどうなったら「何才?」になるのか分かりませんが…
あの時の衝撃は忘れられません

実家から電話が掛かってくる度に
宮城の言葉を話し始める母に
「2つも言葉がしゃべれるなんて凄い!」と
尊敬のまなざしを送っていたことを思いだします
高尾山のふもとで育った私には
「自分たちだけの言葉」が羨ましかったのでした・・・

まぁそんなこんなで
漁師さんたちが、私の機器馴染みのある言葉を話すたびに
なんだかウキウキしていた私ですが

英語と同じで
リスニング出来たからと言って
簡単にスピーキングまで出来るわけじゃない・・・

これがとことん身に沁みます
聞きとれて分かっているのに、あの微妙な発音ができないのです
冒頭の言葉のように平仮名だとさらに分かりにくくなるのは
平仮名だけではおこしきれない微妙なイントネーション、発音の違いの再現が出来ないからでしょう
スピーキングまでたどり着くには、まだしばらく東北へ足を運ばねばならないようです…


1年半ぶりの東北は、まだまだ津波の爪痕が見られ、本当に4年半が経過したのか・・・と思えるところもある一方、8メートルの防潮堤、かさ上げ工事などが 至る所で進んでいました。しかし、そのような工事が進むからこそ、現地の人は新たな問題に直面しているということもあり、決して終わったこと、過去のこと では無いと痛感させられました。
支援を行う団体が激減し、そのような団体には現地の方々から様々な要望が届いている状況だそうです。
是非、お時間のある方は足を運ばれてみてください。

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